リレーエッセイ こちら“がん看護CNS”奮闘中! ~CNSの役割を言語化する~【2】
実践に焦点をあてて
身近な相談相手となれるCNSを目指して
石村 愛
1
Ai ISHIMURA
1
1関西電力病院看護部/がん看護専門看護師
pp.258-259
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_258
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自己紹介
私が,看護師という職業を意識し始めたのは,中学生のときでした.テレビで看護師のドキュメンタリーを見て芽生えた,看護師という職業への憧れからです.それから,阪神・淡路大震災で祖母を突然亡くし,悲しみに暮れる暇さえなかった被災生活を経験し,自然と生命について考える機会が増えていきました.
念願だった看護師になり,消化器外科病棟に配属され,新人看護師としてがん患者への看護を経験しました.新人看護師の冬,ある20代の終末期の乳がん患者Aさんに出会いました.Aさんは,病名告知は受けているものの,家族と婚約者の希望で予後不良であることは未告知でした.Aさんは,日々病状が進行する中,「何で? 私どうして治らないの? 何で?」と私に問い掛けました.返答に困った私は,逃げたい気持ちになったことを今でも忘れません.Aさんに何かできることはなかったのか? 医療チームでもっと検討できることはなかったのか? 自分は誰かに相談できていたのか? Aさんをきっかけに看護倫理や意思決定支援,症状マネジメントに関心を抱くようになり,看護師9年目にがん看護専門看護師(CNS)を志し,2014年にがん看護専門看護師の資格を取得,その後2年間消化器外科・婦人科病棟,それから緩和ケアチームの専従看護師を2年間経験し,現在は消化器内科病棟の副師長として働いています.
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