特集 助産婦と「専門看護師・認定看護師」制度
CNS的役割を体験して言えること
大久保 功子
1
1神戸大学医学部保健学科
pp.994-999
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901605
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はじめに
日本看護協会はかねてから「専門看護師・認定看護師」制度を検討してきたが,本年数人の専門看護師が誕生したのは皆さまご承知のとおりである。専門看護師はアメリカのClinical Nurse Specialist(CNS)にあたるが,その定義は“大学院を出てから臨床で働き,通算5年以上の助産婦としての臨床経験を持つと,CNS基準に当てはまる”ということである。助産婦の場合でいうと,日本にはこの基準に当てはまる助産婦はまだ2人くらいしかいないらしい。その該当者の1人に実は私も含まれるのだが,当の本人は恥ずかしながら,CNSの自負もなく働いていたことを,まずお断りしておきたい。
とにかく,大学院卒業後,以前働いていた所に7年ぶりに再就職してみたところ,助産婦としての臨床の面白味が,かつてとは驚くほど違っていた。そこで新たに見えてきた論点を2つ提示し,臨床で私(みんな)が,何をしてきたかを紹介させていただき,論考を加えてみたい。
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