ひとやすみ・187
期待する答を求め,相談相手を選択する
中川 国利
1
1日本赤十字社東北ブロック血液センター
pp.317
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212875
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- 文献概要
外科医は患者に応じた治療法を提示するが,患者は大いに戸惑いさまざまな対応を示す.私自身も4年ほど前に進行期の前立腺癌と診断され,悩み抜いた末に郭清を伴う前立腺摘出術を受けた.
職場健診でPSA 5.1 ng/mLと軽度ながら高値であり,念のために行ったMRI検査で被膜への浸潤が疑われショックを受けた.さらに針生検では12か所中11か所に癌を認め,病期T3aと診断された.自分がなぜ癌に罹患したのか,しかも進行期であることに大いに落胆した.そして書物,インターネット,さらには人を介して情報を漁りまくった.常日頃はエビデンスを重視しているが,自分自身の命に係わることとなると冷静さを失いパニックとなった.
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