第Ⅰ章 序論:EBPとがん看護
EBPとがん看護
浅野 美知恵
1
1東邦大学健康科学部看護学科
pp.97-103
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_97
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
エビデンス・ベースド・プラクティス(Evidence-Based Practice:EBP,根拠に基づく実践)が,看護実践の質向上の要として臨床看護の現場で取り組まれるようになってきた.
本誌17巻2号『根拠がわかるがん看護ベストプラクティス』(2012年)発刊の翌年に,米国がん看護学会(ONS)作成のPEP®(Putting Evidence into Practice, 2009)の翻訳本1)が発刊され,PEPの考えかたと援助方法をより身近に感じられるようになった.また,2010年に取り組みが紹介2,3)されたアイオワ大学は,アイオワモデルを改訂し検証(2017)4)している.わが国では,慶應義塾大学病院看護部が2013年から取り組んでいるEBP導入を紹介5)している.
その一方で,臨床現場では,医療技術の開発,地域包括ケアの推進という社会情勢の変化により,状況に応じたケアの提供がますます求められるため,何を根拠とするか,ケアの質を高めるEBPはどのように実践するか,改めて思案することも多い.そこで,がん看護におけるEBPの考えかたとEBPに基づく援助について略説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019