特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診療体制の整備】
多職種チーム医療における看護師の役割と課題 ~専門職としての能力向上と円滑なコミュニケーション~
鶴田 清子
1
,
石出 恵子
2
Kiyoko TSURUTA
1
,
Keiko ISHIDE
2
1静岡県立静岡がんセンター/副院長兼患者家族支援センター長/認定看護管理者
2静岡県立静岡がんセンター 看護部/副看護部長
pp.626-628
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_626
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いま求められているもの
日本は,急激な高齢化と人口減少という世界でも類を見ない時代を迎えた.一方,がんゲノム医療に代表する最先端の医療技術は猛スピードで発展している.こうした中,がん医療では,多種多様な課題をもつ高齢がん患者の増加は,医師中心のチーム医療では対応がむずかしい現状にある.
第3期がん対策推進基本計画では「がん医療の充実」という柱の中で,「チーム医療の推進」を掲げている1).がんとともに生きる患者を支えるには,医師と医師以外の専門職種が連携・協働し,患者のQOLの向上を目指す多職種による「チーム医療」を広く普及する狙いがある.
本稿では,当院での多職種チーム医療による診療のメリットと多職種チーム医療の体制整備について紹介し,看護師の役割と課題について述べてみたい.
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