第Ⅲ章 事例でみる苦痛スクリーニング
がん研有明病院における苦痛スクリーニングの実際
大澤 めぐみ
1
1がん研有明病院看護部
pp.507-512
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_507
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事例紹介
事例 Aさん.40代,女性.
右季肋部痛,心窩部痛があり,近医の救急外来を受診した.CT検査にて膵臓がん,肝転移,腹膜播種の疑いと診断され,がん専門病院を紹介された.
苦痛スクリーニングの結果と患者の苦痛
当院では,初診患者全員に,タブレット端末を用いて苦痛スクリーニング(MDアンダーソン症状評価票MDASI-J1):症状13項目,症状による生活の支障6項目)を実施している.患者が入力すると図1のように瞬時に電子カルテに反映される.Aさんの初診時の入力スコア(NRS 11段階)は痛み7,睡眠障害8,食欲不振9,“悲しい気持ち”や“気持ち・情緒への支障”,“楽しむことへの支障”が10であった.
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