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特集 消化器外科手術 術中・術後トラブルシューティング 私ならこうする!
X. 脾臓
1.腹腔鏡下脾臓摘出時の不測の出血―予防法と対処法
How to prevent and manage unexpected hemorrhage during laparoscopic splenectomy
三澤 健之
1
,
築山 佳奈
1
,
豊田 啓恵
1
,
神人 悠
1
,
肥沼 隆司
1
,
根本 憲太郎
1
,
澁谷 誠
1
,
佐野 圭二
1
T. Misawa
1
,
K. Tsukiyama
1
,
H. Toyoda
1
,
Y. Jinnin
1
,
T. Koenuma
1
,
K. Nemoto
1
,
M. Shibuya
1
,
K. Sano
1
1帝京大学外科(肝胆膵グループ)
キーワード:
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
術中出血
,
トラブルシューティング
Keyword:
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
術中出血
,
トラブルシューティング
pp.613-622
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_613
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要旨
・門脈系は静脈系に比して圧が高いため,脾臓摘出術はそもそも易出血性の手術である.一方で腹腔鏡下手術は開腹手術に比べて止血が不得手である.
・したがって腹腔鏡下脾臓摘出術では出血のコントロールよりも出血を未然に防ぐためのノウハウが大切である.
・具体的には患者の体位を工夫すること,vessel sealing systemを多用すること,脾動脈や短胃動脈といった脾臓への流入血管を早期に処理すること,もっとも出血しやすい脾門部の視野を展開するために脾門を挙上すること,さらに脾門を一括処理する際は細心の注意を払って自動縫合器を誘導することなどである.
・もちろん,脾臓周囲の固定組織や脈管系の解剖を熟知しておくことはいうまでもない.

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