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特集 炎症性腸疾患治療における外科と内科の接点
4.Crohn病合併痔瘻に対する診断と治療の実際
Clinical diagnosis and treatment for anal fistula associated with Crohn’s disease
松尾 恵五
1
K. Matsuo
1
1東葛辻仲病院
キーワード:
Crohn病
,
痔瘻
,
肛門部瘻孔
,
分類
Keyword:
Crohn病
,
痔瘻
,
肛門部瘻孔
,
分類
pp.1037-1043
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_1037
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Crohn病に合併する痔瘻の特徴を通常の痔瘻と比較して示した.その本質は腸管病変と同様の機序で肛門管,下部直腸に特異的潰瘍が発生し,感染や機械的刺激により脆弱な瘻管が不規則に進展して複雑な分岐をきたし,皮膚に開口すれば痔瘻となり前方臓器に穿通することもある.潰瘍の外側がリンパ浮腫をきたすと,腫大した外痔核様の浮腫性皮垂となる.また,潰瘍や瘻管が治癒機転で瘢痕化すると狭窄をきたすことになる.本邦で重用されているHughes分類にかわって新しいコンセプトの分類を提示した.Crohn病合併痔瘻の局所治療は単に「シートンを瘻管に挿入,留置」するのではなく,二次口部の十分なドレナージと瘻管内部の不良肉芽の掻把が必要である.
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