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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
VIII. ストーマ
1.定型的な一時的回腸ストーマの造設法―縫合ガイドを使用した粘膜皮膚縫合
Diverting loop ileostomy;mucocutaneous suture with a suture ring
鳥越 貴行
1
,
秋山 泰樹
1
,
荒瀬 光一
1
,
永田 淳
1
,
山田 陽子
1
,
柴尾 和徳
1
,
平田 敬治
1
T. Torigoe
1
,
Y. Akiyama
1
,
K. Arase
1
,
J. Nagata
1
,
Y. Yamada
1
,
K. Shibao
1
,
K. Hirata
1
1産業医科大学
キーワード:
一時的回腸ストーマ
,
縫合ガイド
,
粘膜皮膚移植
Keyword:
一時的回腸ストーマ
,
縫合ガイド
,
粘膜皮膚移植
pp.631-635
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_631
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近年の直腸癌に対する腹腔鏡下手術の急速な普及によって,下部直腸癌例やハイリスク例においても肛門機能温存手術が選択される場合が多い.しかし,National Clinical Database(NCD)データ(2011,2012年)に基づく低位前方切除術(33,411例)における合併症の発生率は21.7%と高く,そのうち縫合不全率は9.7%と報告されている1).本邦では低位前方切除術における一時的ストーマ造設に関する無作為化比較試験(RCT)が行われ,一時的ストーマ造設によって再開腹術を要する重篤な縫合不全の発生頻度は9.1%から0.6%(propensity score matching)へと著明に減少し,その有用性が証明された2).そのため直腸癌手術における重篤な縫合不全を回避する目的で,一時的ストーマを造設する頻度は今後さらに増加することが予想される.
© Nankodo Co., Ltd., 2021