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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
II. 胃
1.緩和手術としての胃空腸吻合の手術手技
Surgical technique of gastrojejunostomy as palliative surgery
稲木 紀幸
1
N. Inaki
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系胃腸外科学
キーワード:
胃空腸吻合術
,
幽門狭窄
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
胃空腸吻合術
,
幽門狭窄
,
腹腔鏡下手術
pp.422-426
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_422
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進行胃癌や十二指腸癌,膵頭部癌患者においては,腫瘍による閉塞症状を伴うことが多い.術前または術中に腫瘍の根治切除が困難であると判断された場合は,術後の症状緩和目的に胃空腸吻合を考慮する必要が生じる.近年では,術前化学療法や切除不能進行胃癌に対する化学療法後のconversion surgeryが注目されており,これを念頭においた胃空腸吻合を行うこともある.このように,対象となる患者背景にはさまざまな状況が考えられ,胃空腸吻合を単なるバイパスの手技と考えず,その後の患者の予後や生活の質(QOL),治療予定などを配慮した胃空腸吻合術を加えることが肝要である.本稿では,さまざまな患者状況における腹腔鏡下胃空腸吻合術のバリエーションをふまえ,その手術手技を解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021