書評
腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術―施設導入から技術認定取得まで[Web動画付]
早川 哲史
1
1刈谷豊田総合病院/腹腔鏡ヘルニアセンター
pp.181
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_181
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- 文献概要
外科学の黎明期から今日までにかわることのない大原則は,正確な解剖の理解と手術手技の確立と伝承である.われわれ外科医師が安全で質の高い手術を行うためには,正しい解剖を認識したうえで手術手技を完成させ,それを伝えなければならない.従来認識できなかった鼠径部筋膜構造が,現在では鮮明な腹腔鏡画像により次第に解明されている.内視鏡外科手術の導入により,鼠径部ヘルニアの手術手技は多様化しながら今も変化している.鼠径部ヘルニアは個々の症例ごとに解剖の状況が異なり,完全に定型化した手術が行えないことが多々ある.基本的な腹壁解剖と筋膜構造を十分に熟知したうえで,個々の症例に見合った手術を完遂させ,患者にとって短期的にも長期的にも高い生活の質(QOL)を維持できる手術を提供する必要がある.
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