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特集 整形外科医療安全のすべて
Ⅰ章.総 論
3.「診療ガイドライン」の法的意義
Legal significance of clinical practice guidelines
宗像 雄
1
Y. Munakata
1
1関谷・宗像法律事務所
1Sekiya and Munakata Law Firm, Tokyo
キーワード:
guideline for clinical practice
,
evidence based medicine
,
package insert
,
medical standard
Keyword:
guideline for clinical practice
,
evidence based medicine
,
package insert
,
medical standard
pp.512-517
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_512
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は じ め に
臨床の現場において,「医学的な根拠(エビデンス)に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)」の重要性が認識されて久しい.「診療ガイドライン」は,EBMを実現するためのツール(の一つ)として,1990年に米国医学研究所(Institute of Medicine)によって作成された.わが国でも,1999年ごろから作成されるようになった.
現在では,「診療ガイドライン」は臨床に従事する医師の「バイブル」的な存在となり,医師が個々の患者の診療に関する決定をする際の指針となっている.医師が「診療ガイドライン」に依拠しないで診療をすることは,およそあってはならない.併せて,裁判実務においては,「診療ガイドライン」の記載内容は裁判所が医師の注意義務の違反の有無を判断する際の中心的な資料と位置づけられている(注1).
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