Japanese
English
特集 消化器疾患に対する機能温存・再建手術
II. 下部消化管領域
8. 肛門機能温存をめざした括約筋間直腸切除術(ISR),経肛門吻合のコツ
The knack of intersphincteric resection (ISR) preserving anal function
赤木 由人
1
,
藤田 文彦
1
Y. Akagi
1
,
F. Fujita
1
1久留米大学外科
キーワード:
肛門温存術
,
内肛門括約筋部分温存
,
排便障害
Keyword:
肛門温存術
,
内肛門括約筋部分温存
,
排便障害
pp.494-499
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_494
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
腹会陰式直腸切断術(abdominoperineal resection:APR)は1908年に提唱された.APRは現在でも標準術式として用いられているが,肛門非温存を余儀なくされ排泄障害を伴う術式である.その後,肛門を温存する工夫がなされ,高位前方切除術(high anterior resection:HAR),低位前方切除術(low anterior resection:LAR)と吻合高が肛門に近づいてきた.2000年には,括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)という肛門括約筋を部分的に温存し肛門を温存するという術式が考案され広まっている(図1).それまでは肛門括約筋を切除することは便失禁をきたすということで,想定されていなかった術式である.このように臓器を除去する手術は,程度の差はあれ機能の喪失を惹起するということを免れない.悪性腫瘍に対する術式は根治性も失わずにという点にも考慮しなければならない.
© Nankodo Co., Ltd., 2019