Japanese
English
特集 消化器癌に対する最新の集学的治療戦略
II. 各論
4.原発性肝癌の集学的治療戦略
Multidisciplinary treatment strategy for primary liver cancer
波多野 悦朗
1
,
笠井 洋祐
2
,
小島 秀信
2
,
楊 和明
2
,
宮下 正寛
3
,
中村 育夫
3
,
多田 正晴
3
,
瀬尾 智
4
,
田浦 康二朗
4
,
上本 伸二
4
,
藤元 治朗
5
E. Hatano
1
,
Y. Kasai
2
,
H. Kojima
2
,
K. Yoh
2
,
S. Miyashita
3
,
I. Nakamura
3
,
M. Tada
3
,
S. Seo
4
,
K. Taura
4
,
S. Uemoto
4
,
J. Fujimoto
5
1兵庫医科大学肝胆膵外科
2京都大学肝胆膵・移植外科
3兵庫医科大学肝胆膵外科
4京都大学肝胆膵・移植外科
5兵庫医科大学肝胆膵外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝内胆管癌
,
肝動脈注入化学療法
,
分子標的治療薬
,
conversion
Keyword:
肝細胞癌
,
肝内胆管癌
,
肝動脈注入化学療法
,
分子標的治療薬
,
conversion
pp.837-843
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_837
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進行肝細胞癌においても,肝切除がファーストラインの根治的治療である.肝切除非適応といったん判断しても,conversion, salvage目的の肝切除や生体肝移植といった外科的治療の可能性を常に追求すべきである.もっとも予後不良とされていた門脈腫瘍栓や下大静脈腫瘍栓を伴う症例においても,周術期の肝動脈注入化学療法の導入により予後は改善した.今後,奏効率の高い分子標的薬の登場によりさらなる予後改善が期待される.肝内胆管癌において,肝内転移,血管浸潤,リンパ節転移は予後不良因子とされるが,画像診断の進歩や術後補助化学療法の導入により進行肝内胆管癌の切除例の成績は飛躍的に改善した.さらに術前治療の開発をはじめとする集学的治療アプローチの確立が望まれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018