進行肝細胞癌に対する治療戦略(集学的治療を含めて) 外科的治療
下大静脈腫瘍栓を伴う肝細胞癌に対する外科治療
波多野 悦朗
1
,
笠井 洋祐
,
瀬尾 智
,
田浦 康二朗
,
安近 健太郎
,
上本 伸二
1兵庫医科大学 肝胆膵外科
キーワード:
下大静脈
,
肝細胞癌
,
心房
,
流血中腫瘍細胞
,
アルゴリズム
,
重症度指標
,
治療成績
,
開心術
Keyword:
Algorithms
,
Heart Atria
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Severity of Illness Index
,
Vena Cava, Inferior
,
Treatment Outcome
pp.150-154
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017116843
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下大静脈腫瘍栓(IVCTT)の存在は,oncologic emergencyと理解し,迅速な対応が求められる.他臓器転移がなく肉眼的に癌の遺残のない手術が可能であれば,比較的良好な予後が期待できる.ただし,手術のみでは早期再発は必発で,手術と周術期の化学療法などの集学的治療を安全に低侵襲に行う必要がある.自験例における周術期の肝動脈注入化学療法を導入後のIVCTTを伴う肝細胞癌の術後生存期間中央値は36.4ヵ月で,治癒も期待しうる病態である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017