Japanese
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特集 エビデンスからみた治療リスクの評価
4.肝癌治療におけるリスクと対応
-1)肝癌治療におけるリスク評価と治療法選択
Incidence, risk factors, and treatment options for surgical complications after hepatectomy
久保木 知
1
,
吉富 秀幸
1
,
古川 勝規
1
,
高屋敷 吏
1
,
高野 重紹
1
,
鈴木 大亮
1
,
酒井 望
1
,
賀川 真吾
1
,
野島 広之
1
,
三島 敬
1
,
中台 英里
1
,
大塚 将之
1
S. Kuboki
1
,
H. Yoshitomi
1
,
K. Furukawa
1
,
T. Takayashiki
1
,
S. Takano
1
,
D. Suzuki
1
,
N. Sakai
1
,
S. Kagawa
1
,
H. Nojima
1
,
K. Mishima
1
,
E. Nakadai
1
,
M. Ohtsuka
1
1千葉大学臓器制御外科
キーワード:
肝機能
,
残肝率
,
術中出血量
,
サルコぺニア
,
胆汁漏
Keyword:
肝機能
,
残肝率
,
術中出血量
,
サルコぺニア
,
胆汁漏
pp.1023-1026
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1023
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肝癌治療において外科的切除は重要な位置を占めるが,そのリスクは決して低くなく,しばしば重篤な合併症を伴い致死的となる.肝切除後の合併症発症に関するリスクファクターとしては,患者因子・腫瘍因子・手術因子・術後因子に大別され,患者因子としては肝予備能・加齢・栄養状態・サルコぺニア・術前合併症など,腫瘍因子としては腫瘍径・脈管浸潤・胆管浸潤など,手術因子としては肝切除量・術中出血量・胆道再建の有無など,術後因子としては感染・胆汁漏・腹腔内膿瘍の存在などがあげられる.これらの因子は複雑に関連して高ビリルビン血症や肝不全などのさらなる重篤な合併症を引き起こすため,それぞれの患者のリスクを的確に把握して手術適応決定・術式選択・周術期管理を慎重に行うことが肝切除術の安全性を高めるために重要である.
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