特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅷ.その他の手術器具・材料
深部生検に用いる超音波プローブと生検針の種類と使用法
高屋敷 吏
1
,
吉富 秀幸
1
,
古川 勝規
1
,
久保木 知
1
,
高野 重紹
1
,
鈴木 大亮
1
,
酒井 望
1
,
賀川 真吾
1
,
野島 広之
1
,
三島 敬
1
,
大塚 将之
1
1千葉大学臓器制御外科
キーワード:
術中超音波検査
,
超音波探触子
,
生検針
Keyword:
術中超音波検査
,
超音波探触子
,
生検針
pp.1312-1315
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1312
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種々のモダリティにより正確な診断が可能となってきた今日においても,直接対象を穿刺することによる組織生検あるいは腫瘍生検が確定診断の重要な位置づけにあることにはかわりはない1).特に,術中に臓器を直視下に穿刺することによって得られる術中生検は,術後の治療方針に大きな影響を与えることがある.一方で,生検はほかの診断手技に比べて侵襲的であり,出血などの合併症2)や穿刺ルートへの播種3)などの問題点もあることから,その適応を十分に検討すると同時に安全確実に施行するために適切な器具を選択し,その手技に精通する必要がある.
生検診断の重要なデバイスとして,超音波探触子(プローブ)と生検針があり,穿刺対象となる臓器,穿刺部位の解剖学的位置,採取する組織およびその検体量などにより,その種類が選択される.腹部臓器で術中生検の対象となるのは,肝臓,膵臓,脾臓といった消化器系実質臓器,腎臓,前立線,副腎などの泌尿器科系臓器,子宮などの婦人科系臓器など多岐にわたる.
本稿では,われわれが主として肝臓深部に対する術中生検に用いている超音波プローブと生検針について解説し,その使用方法・コツについて概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2017