Japanese
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整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅰ.総論
4.装具療法
仙腸関節障害に有効な骨盤ベルトの種類と装着方法の検討
Consider of effective pelvic belt types and wearing methods for patients with sacroiliac joint dysfunction
遠藤 由紀子
1
,
黒澤 大輔
2
,
佐々木 健
1
,
村上 栄一
2
Y. Endo
1
,
D. Kurosawa
2
,
T. Sasaki
1
,
E. Murakami
2
1JCHO仙台病院リハビリテーション部
2JCHO仙台病院整形外科/日本仙腸関節・腰痛センター
1Dept. of Rehabilitation, JCHO Sendai Hospital, Sendai
キーワード:
sacroiliac joint dysfunction
,
pelvic belt
,
force closure
Keyword:
sacroiliac joint dysfunction
,
pelvic belt
,
force closure
pp.62-66
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_62
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は じ め に
仙腸関節は仙骨と腸骨の関節面で構成される滑膜関節であり,解剖学的に関節腔の領域に加え靱帯領域が占める割合が多いのが特徴で,Bernardらは関節腔と後方の広大な靱帯領域の両方を合わせて仙腸関節と定義した1).仙腸関節は骨盤内にあり,脊柱と股関節の間の荷重伝達と衝撃吸収機能を有するが,日常生活での反復的動作や不意な動作により過度の負荷が加わると,関節に微小な不適合が生じ,上後腸骨棘(posterior superior iliac spine:PSIS)を中心とした腰殿部痛の原因となる[仙腸関節障害(sacroiliac joint dysfunction:SIJD)]2).
急性のSIJDは,ぎっくり腰と表現される急性腰痛症を呈する3).急性の病態に対して仙腸関節部の安定化,そして関節不適合の再発を防止するために骨盤ベルト固定が有用である.
当院ではSIJDに対して,各症例に合わせて複数の骨盤ベルトと装着方法を組み合わせて対応している.本稿では,骨盤ベルトの種類とその装着方法について調査したので報告する.
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