Japanese
English
整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅰ.総論
3.エコー下インターベンション
肩関節診療におけるエコー使用の有効性
Efficacy of ultrasonography in the treatment of shoulder
土山 耕南
1
,
樋口 史典
1
,
森本 将太
1
,
木島 和也
1
,
橘 俊哉
1
K. Tsuchiyama
1
,
F. Higuchi
1
,
S. Morimoto
1
,
K. Kishima
1
,
T. Tachibana
1
1兵庫医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hyogo Medical University, Nishinomiya
キーワード:
ultrasound-guided injection
,
shoulder
Keyword:
ultrasound-guided injection
,
shoulder
pp.45-52
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_45
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は じ め に
肩関節および肩関節周囲筋群の疾患による疼痛を主訴に,多くの患者が整形外科を受診する.肩関節周囲の診察において,疼痛誘発テストなどの症状の再現と画像所見の一致が診断と適切な治療計画のために不可欠である.しかし,肩痛を訴える症例すべてにMRI検査を行い,腱板などの筋腱を評価することは容易ではない.本稿では近年,肩関節障害の診断における超音波診断装置(エコー)の有用性が多く報告1~3)されているので紹介する.
もともとエコー検査では,筋腱の断裂や出血,関節の液貯留など,病変を迅速に評価することが可能ではあったが,近年のエコー解析能の進歩に伴い画像も鮮明になってきており,より有効な画像所見が得られるようになってきたことがエコーが広く使われるようになった要因の一つにあげられる(図1).また,血流評価を行うことにより炎症部位を絞ることも可能になってきている.
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