Japanese
English
整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅱ.部位別疾患と保存療法
4.足・足関節
足部捻挫による立方骨骨折
Cuboid fracture by foot sprain
長沢 謙次
1
K. Nagasawa
1
1ながさわ整形外科
1Nagasawa Joint & Bone Clinic, Fukushima
キーワード:
cuboid fracture
,
bifurcated ligament
,
MRI
Keyword:
cuboid fracture
,
bifurcated ligament
,
MRI
pp.133-138
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_133
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は じ め に
足部の捻挫で足関節外側靱帯損傷と第5中足骨骨底部骨折はよく知られている外傷である.また踵骨と舟状骨・立方骨をつなぐ二分靱帯の損傷はおおむね軽症で早期に治癒するものが多いとされていた1).筆者は当院MRIにて,同部位の靱帯損傷状態を把握する目的で二分靱帯を撮像しようと努力したが,二分靱帯は明確には撮像されず,前距腓靱帯や踵腓靱帯の断裂や剥離のように二分靱帯損傷を診断することはできなかった.
一方,全例でshort TI inversion recovery(STIR)条件での立方骨に高輝度の骨折または骨挫傷が確認された.立方骨の骨折と骨挫傷を明瞭に区別することは困難であるので,本稿では一括して骨折と表現する.立方骨骨折を単純X線像で確認することは,全例でできなかった.以後,広く二分靱帯損傷と認識されている傷病は立方骨骨折ではないかと想定し,患者が骨折の有無を確認する意思を表明した症例に対してMRIを実施した.
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