Japanese
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整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅱ.部位別疾患と保存療法
4.足・足関節
初期治療における足関節脱臼骨折に対する整復と外固定の工夫
-――重力補助足関節整復法(GARA法)による初期治療の小経験
Tips for reduction and casting of ankle fracture-dislocations:results of initial treatment with gravity assisted reduction of ankle
安藤 治朗
1
,
松村 福広
2
,
塩入 央尚
1
,
二部 悦也
1
,
檜山 秀平
1
,
中島 寛大
1
,
竹下 克志
1
J. Ando
1
,
T. Matsumura
2
,
H. Shioiri
1
,
Y. Nibe
1
,
S. Hiyama
1
,
H. Nakajima
1
,
K. Takeshita
1
1自治医科大学整形外科
2自治医科大学救命救急センター
1Dept. of Orthop., School of Medicine, Jichi Medical University, Shimotsuke
キーワード:
ankle fracture-dislocation
,
initial treatment
,
reduction technique
Keyword:
ankle fracture-dislocation
,
initial treatment
,
reduction technique
pp.127-132
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_127
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は じ め に
足関節骨折や足関節脱臼骨折は外来や救急外来を受診する一般的な外傷である1,2).足関節脱臼骨折は不安定な骨折であり,初期治療として,脱臼と骨折の整復と外固定または創外固定による足関節の安定化が必要となる.整復と足関節の安定化の目的は,① 患者の痛みを減らし,確定的内固定までの期間を生活しやすくすること,② 皮膚や皮下組織の軟部組織損傷,神経血管損傷,筋腱損傷といった合併症のリスクを減らすこと,③ 確定的内固定手術までの期間を不必要に延長させないことである3,4).これらの目的を達成するために,適切な初期治療を行う必要がある.
当科では閉鎖性足関節脱臼骨折の初期治療として,患者を仰臥位にして足関節を整復する従来の方法ではなく3,4),重力補助足関節整復法(gravity assisted reduction of ankle:GARA法)で足関節脱臼骨折の整復を行い,整復後に膝下キャストで足関節を外固定し,術前待機している5).
これまで足関節骨折の初期治療としてGARA法で整復し外固定をした症例が報告されているが5),足関節脱臼骨折に限定した報告はない.本稿では,足関節脱臼骨折の初期治療としてGARA法で整復し,キャストで外固定をして治療を行った小経験を報告する.
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