Japanese
English
小児整形外科up-to-date Ⅰ.総論
2.画像評価
CT類似MRIの可能性
The possibility of computed tomography-like magnetic resonance imaging
木下 大
1
,
酒井 紀典
1
,
西良 浩一
1
Y. Kinoshita
1
,
T. Sakai
1
,
K. Sairyo
1
1徳島大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokushima University, Tokushima
キーワード:
lumbar spondylolysis
,
CT
,
MRI
,
bone like image
,
ionizing radiation exposure
Keyword:
lumbar spondylolysis
,
CT
,
MRI
,
bone like image
,
ionizing radiation exposure
pp.23-29
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei85_23
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は じ め に
現在の整形外科診療において,CTは短い撮影時間で詳細な骨折線の描出が可能であり,広く普及している画像診断技術である.また,多断面再構成像(multiplanar reconstruction:MPR)により三次元的評価が可能なことから,診断・手術計画立案などでわれわれが受けている恩恵は多い.しかしCT撮影は多量の電離放射線被曝を避けられない検査であり,子どもは成人と比較して各臓器の放射線感受性が高く平均余命も長いことから,放射線被曝による影響が出やすいことや,特にCTの放射線被曝の既往が白血病や脳腫瘍,発癌リスクとして報告されている1,2)ため,子どもの診療においては極力その機会を減らすべきであることはいうまでもない.
一方,MRIはCTよりも詳細な軟部組織の評価や骨髄浮腫の検出が可能な検査であり,CTでは検出できない骨挫傷や初期の疲労骨折の診断に有用であるが,皮質骨の描出がむずかしいためにCTほど詳細に骨折部を評価できない.また,高画質な画像所見を得るために撮像時間が長くなったり,被験者の体動や呼吸・血管拍動などのアーティファクトにより画質が低下するデメリットも有するため,鎮静処置が必要になることも多い.
近年,MRIを駆使してCTのような画像を得るCT類似MRIという画像描出方法が報告されており,整形外科領域で応用され始めている.本稿ではCT類似MRIを用いた小児整形外科疾患の診断について,腰椎分離症を中心に紹介する.
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