Japanese
English
経験と考察
成長期腰椎分離症における三次元MRIを用いた骨折線識別
Identification of fracture line of lumbar spondylolysis during growth period using three dimensional-magnetic resonance imaging
横澤 研太
1
,
渡邊 裕規
1
K. Yokosawa
1
,
H. Watanabe
1
1わたなべ整形外科運動器クリニック
1Watanabe Orthopaedic Musculoskeletal Clinic, Nagoya
キーワード:
three dimensional MRI
,
CT
,
lumbar spondylolysis
,
growth period
Keyword:
three dimensional MRI
,
CT
,
lumbar spondylolysis
,
growth period
pp.743-747
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_743
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は じ め に
成長期腰椎分離症は病期ごとに骨融合率が異なる1~3).よって適切な画像診断により病期を正確に判断することは,治療方針を決定するうえで非常に重要である4,5).腰椎分離症の画像診断においてMRIの有用性は疑いなく3),分離症の急性期において椎弓根に輝度変化を生じることは周知の事実である.一方,すでに骨折線をきたしている,いわゆる進行期,終末期における骨折線の描出は,MRIに対してCTに優位性がある6~8).やはりMRIを用いた骨折線の評価においては,パーシャルボリューム効果による信号変化が原因で9),骨折線が不明瞭となり,わずかな骨折線の見逃しが問題となる.よって現状ではMRIおよびCTの両方において病期を判断し,治療方針を決定することが多い(図1).しかし,CTにはX線被曝の問題があり,特に児童において多数回撮影は避けるべきと考える.
本研究の目的は,腰椎分離症に対するMRI撮像の際に,3D-MRIである可変フリップ角fast spin echo(FSE)法のT1強調画像(T1WI)-isoを用いて斜位矢状断像を作成し,CTにおける骨折線の有無と比較することにより,MRIで骨折線の評価が可能か否かを検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2023