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特集 腰椎分離症—病態・診断・治療
腰椎分離症に対するMRIによる定量評価
Quantitative Assessment of Lumbar Spondylolysis on Magnetic Resonance Imaging
中前 稔生
1
Toshio NAKAMAE
1
1広島大学大学院医系科学研究科整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Hiroshima University
キーワード:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
骨髄浮腫
,
bone marrow edema
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
Keyword:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
骨髄浮腫
,
bone marrow edema
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
pp.35-40
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201566
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はじめに
腰椎分離症は腰椎関節突起間部の連続性が途絶した状態である.しかしながら,単純X線で分離が確認されるのはすでに終末期の分離であり,発育期のスポーツ障害の腰痛として問題となるのは急性期の分離症である.急性期の分離症の病態としては,腰椎の伸展および回旋運動が繰り返されることにより,腰椎関節突起間部に応力が集中するために生じる疲労骨折といわれている9,14,25).発育期の腰椎分離症の治療目標は骨癒合を目指すことであるが,そのためには早期診断および早期治療が肝要である.画像診断では初期に単純X線やCTで骨折が不明瞭な時期でもMRIを用いることで早期診断が可能である.特に,T2脂肪抑制像で骨髄内に高信号を示す骨髄浮腫(bone marrow edema:BME)は診断に非常に有用である(図 1)1,15,17).しかしながら,MRIの画質は施設によってばらつきがあり,正確な骨髄浮腫の評価ができないこともある(図 2).また,MRIにおける骨髄浮腫の経時的変化の評価も主観的なものであり,より客観的な評価が必要となる.本稿では発育期腰椎分離症におけるMRIでの骨髄浮腫の定量評価について概説する.
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