Japanese
English
小児整形外科up-to-date Ⅳ.下肢疾患
2.下肢の先天異常
先天性脛骨欠損症に対する小児期下肢再建治療
-――成人に達した2例から工夫された現在の方法
Experience over twenty years of reconstruction treatment for congenital absence of tibia
落合 達宏
1
,
髙橋 祐子
2
,
水野 稚香
1
,
小松 繫允
1
,
芝﨑 真人
3
T. Ochiai
1
,
Y. Takahashi
2
,
C. Mizuno
1
,
S. Komatsu
1
,
N. Shibasaki
3
1宮城県立こども病院整形外科
2宮城県立こども病院リハビリテーション科
3東北大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Miyagi Children’s Hospital, Sendai
キーワード:
congenital absence of the tibia
,
tibial hemimelia
,
reconstruction of lower limb
,
guided growth
,
bone lengthening
Keyword:
congenital absence of the tibia
,
tibial hemimelia
,
reconstruction of lower limb
,
guided growth
,
bone lengthening
pp.129-135
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei85_129
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は じ め に
先天性脛骨欠損症(congenital absence of the tibia:CAT)は生下時に脛骨の不完全あるいは完全な欠損を示し,時に足部足趾や大腿骨に及ぶ場合もある,胎生期に生じる形成不全である.発生頻度は非常にまれな疾患で,100万出生あたり1例と推定されている1).欠損の程度もさまざまで2),完全欠損から残存程度によるJones分類3)がよく知られている(図1).
乳幼児期からの下肢再建手術が必要となるが,初期手術の後も成長性変形への矯正手術,脚長不等増加への骨延長術を繰り返し行い4)ながら成長期を乗り越えている.かつては乳児期切断術の対象とされたが,創外固定法が導入されてから20年を超え,下肢形成不全への治療の考え方も大きく変化した5,6).
本稿では,成人に達したCAT 2例の経過およびその経験から工夫された現在の方法について述べる.
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