Japanese
English
経験と考察
外反膝に対する人工膝関節全置換術
-――拘束型インプラントの機種選択
Total knee arthroplasty for valgus alignment knee:selection of constraint knee implants
松田 匡弘
1
,
王寺 享弘
1
,
松田 秀策
1
,
井浦 国生
1
,
富永 冬樹
1
M. Matsuda
1
,
T. Ohdera
1
,
S. Matsuda
1
,
K. Iura
1
,
F. Tominaga
1
1福岡整形外科病院
1Fukuoka Orthopaedic Hospital, Fukuoka
キーワード:
valgus alignment knee
,
constrained knee implant
,
TKA
,
implant selection
Keyword:
valgus alignment knee
,
constrained knee implant
,
TKA
,
implant selection
pp.1269-1275
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1269
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は じ め に
外反膝は慢性的な外反ストレスによって生じた膝内側側副靱帯(MCL)の弛み,高位脛骨骨切り術(HTO)後に生じる外側支持機構の拘縮,膝蓋大腿骨滑車不適合(PF障害)の合併などを有することがあり,人工膝関節全置換術(TKA)後の成績不良例が存在する.術後に外反アライメントを残さないことがもっとも重要であるが困難なことも多く,いまだチャレンジングな手術として位置づけられている.また内反膝と比較すると症例が少ないため,大腿骨遠位や脛骨近位の骨切り角度を正確に行うには手技の習熟に時間がかかり,ギャップやバランスの調整については指標や手順が確立されていないのが現状である.特に,腸脛靱帯(ITB)の解離後にギャップが大きく開大したり,膝外側側副靱帯(LCL)切離後に屈曲ギャップが大きく開大することを経験する.
Persona(Zimmer Biomet社)を用いたTKAのインサートは,通常の後十字靱帯切除(PS)タイプからPS plusタイプに容易に変更可能である.また,constrained condylar knee(CCK)やrotating hinge knee(RHK)でも,サイズバリエーションが近似しているため,バランス不良やギャップ開大例,骨欠損例においても拘束性を高めることが可能である.当院では2019年から症例を選んでPS plusインサート(constrained posterior stabilized:CPS)を使用しており,外反膝のTKAにおける拘束型インプラント選択について後ろ向きに調査したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023