Japanese
English
骨・関節感染症の治療戦略 Ⅱ.予 防
1.手術室環境
手術部位感染予防のための手術室環境対策
Control of the operative environment for prevention of surgical site infection
立岩 俊之
1
,
正岡 利紀
1
,
石田 常仁
1
,
宍戸 孝明
1
,
山本 謙吾
1
T. Tateiwa
1
,
T. Masaoka
1
,
T. Ishida
1
,
T. Shishido
1
,
K. Yamamoto
1
1東京医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Medical University, Tokyo
キーワード:
operative environment
,
SSI
,
prevention
Keyword:
operative environment
,
SSI
,
prevention
pp.26-31
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_26
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は じ め に
1999年に米国疾病予防管理センター(CDC)の手術部位感染防止ガイドライン1)が日本語に翻訳され,手術部位感染(SSI)がわが国の医療に定着して以来,わが国における感染予防に対する意識が大きくかわった.世界的にはMusculoskeletal Infection Society(MSIS)の整形外科感染対策における第2回国際コンセンサスミーティング(International Consensus Meeting:ICM)2)が2018年に開催され,日本語にも翻訳されている3).わが国においては2006年に『骨・関節術後感染予防ガイドライン』が整形外科領域のSSI予防ガイドラインとして初刊され,その後,2015年に改訂版が発刊された4).これらのガイドラインがSSI/人工関節周囲感染(periprosthetic joint infection:PJI)対策として広く参考にされているのが現状である.外因性要因である手術室環境に関しては,SSI/PJIとの関連について明確なエビデンスがない項目が多いが,手術室への入室にはじまり,手術室内におけるあらゆる行動など,さまざまな問題点があげられる.それら手術室環境については,医師や医療スタッフが注意することでコントロール可能な項目が多く,ガイドラインに加え,最近の報告やわれわれが取り組んできた問題点を交えて報告する.
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