Japanese
English
骨・関節感染症の治療戦略 Ⅰ.疫学・病態
1.人工関節周囲感染(PJI)に関する疫学調査
人工股・膝関節全置換術における手術部位感染サーベイランス
-――700例の調査結果からみえる人工関節周囲感染ゼロへの戦略と課題
Surgical site infection surveillance and care bundles for preventing periprosthetic joint infection
津田 晃佑
1
,
坂本 悦子
2
,
角谷 龍哉
2
,
林 三千雄
2
,
川上 秀夫
1
,
渋谷 高明
1
K. Tsuda
1
,
E. Sakamoto
2
,
T. Kadotani
2
,
M. Hayashi
2
,
H. Kawakami
1
,
T. Shibuya
1
1住友病院整形外科・人工関節センター
2住友病院感染制御部
1Dept. of Orthop. Surg., Adult Reconstructive Surgery of the Hip and Knee, Sumitomo Hospital, Osaka
キーワード:
SSI
,
surveillance
,
periprosthetic joint infection
,
hip
,
knee
Keyword:
SSI
,
surveillance
,
periprosthetic joint infection
,
hip
,
knee
pp.2-6
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_2
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は じ め に
Semmelweisが手指衛生により産褥熱を低減させ,Robert Kochが細菌を発見し,Joseph Listerがフェノールによる術野・手術器具消毒により “手術熱” を減少させたことで,外科医は「敗血症による死」という悩みから解放されたが,現在においてもなお手術部位感染(SSI)は撲滅されていない.わが国での人工関節周囲感染(periprosthetic joint infection:PJI)発生率は1.36%であり1),われわれ人工関節外科医はPJIをゼロに近づけるべく,これからも努力し続けなければならない.わが国におけるSSI予防元年は1999年とされ,予防対策などが広く議論されながら,近年では2018年にMusculoskeletal Infection Societyの第2回国際コンセンサス会議での推奨内容がPJI対策として参考にされている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022