Japanese
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骨・関節感染症の治療戦略 Ⅴ.治療各論
5.人工関節周囲感染(PJI)の治療
2)二期的再置換術
人工股関節置換術後感染における二期的再置換術の治療戦略
Treatment strategy of two stage revision hip arthroplasty in periprosthetic joint infection
千葉 大介
1
,
馬場 一慈
1
,
濱田 壮志
1
,
鈴木 貴之
1
,
栗島 宏明
1
,
山田 則一
2
,
相澤 俊峰
1
D. Chiba
1
,
K. Baba
1
,
S. Hamada
1
,
T. Suzuki
1
,
H. Kurishima
1
,
N. Yamada
2
,
T. Aizawa
1
1東北大学整形外科
2仙台赤十字病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai
キーワード:
periprosthetic joint infection
,
two stage revision THA
,
treatment
,
diagnosis
Keyword:
periprosthetic joint infection
,
two stage revision THA
,
treatment
,
diagnosis
pp.200-203
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_200
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は じ め に
人工股関節全置換術(THA)は良好な長期成績が報告されており,変形性股関節症患者の疼痛を軽減し日常生活動作(ADL)を改善する1).わが国において,THAの手術件数は年々増加している.人生100年時代を迎え,ますますTHAは長期成績の向上が望まれる.わが国におけるTHA再置換術の原因をみると,無菌性弛み,脱臼や不安定性に次いで,感染が3番目にあげられている.人工関節周囲感染(periprosthetic joint infection:PJI)は深刻な合併症の一つであり,今後PJIの治療を行う機会は増加してくるものと考えられる.
当院ではPJIに対して,原則的に二期的再置換術を行っている.PJIに対する二期的再置換術は良好な成績が報告2)されている一方で,治療に時間を要することや,それに伴い治療後の歩行能力が落ちることなどが指摘されている3).インプラント抜去から二期的再置換までの待機期間を短縮することが一つの課題である.PJIの診断基準としてMusculoskeletal Infection Society(MSIS)の診断基準4)などが汎用されているが,感染鎮静化の診断基準や確固たる指標はない.このことがPJIの二期的再置換術において,診断を難渋させ,治療を長期化させている.当院で行ったPJIの治療成績と感染鎮静化の指標について検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2022