Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その1) Ⅲ.治療総論
1.化学療法
骨肉腫に対する周術期化学療法
Preoperative chemotherapy for osteosarcoma
中井 隆彰
1
,
角永 茂樹
1
,
上田 孝文
1
T. Nakai
1
,
S. Kakunaga
1
,
T. Ueda
1
1大阪医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., National Hospital Organization Osaka National Hospital, Osaka
キーワード:
osteosarcoma
,
perioperative chemotherapy
,
neoadjuvant/adjuvant chemotherapy
Keyword:
osteosarcoma
,
perioperative chemotherapy
,
neoadjuvant/adjuvant chemotherapy
pp.140-143
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei79_140
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は じ め に
骨肉腫は10~20歳代の若年者に好発する代表的な原発性悪性骨腫瘍であり,非常にまれな疾患である.日本整形外科学会全国骨・軟部腫瘍登録によれば,わが国における新患発症率は年間200人程度と推測される.骨肉腫に存在する亜型のなかで,低悪性度のものとして傍骨性骨肉腫(parosteal osteosarcoma)や低悪性中心性骨肉腫(low-grade central osteosarcoma)があり,主に手術的治療が治療の中心となる.一方で,高悪性度骨肉腫として,通常型骨肉腫[骨形成型(osteoblastic type),軟骨形成型(chondroblastic type),線維形成型(fibroblastic type)]や血管拡張型骨肉腫(telangiectatic osteosarcoma)があり,これらは腫瘍広範切除術と周術期補助化学療法を組み合わせた集学的アプローチが標準治療として確立されている1).本稿では,高悪性度骨肉腫に対して行われる周術期化学療法について概説する.
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