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骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅶ.リエゾンサービス
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Project F has been started
山田 仁
1,2
,
大滝 遙
3
,
風間 順一郎
4
,
水沼 英樹
5
,
紺野 愼一
3
H. Yamada
1,2
,
H. Otaki
3
,
J. Kazama
4
,
H. Mizunuma
5
,
S. Konno
3
1福島県立医科大学運動器骨代謝
2寿泉堂綜合病院整形外科
3福島県立医科大学整形外科
4福島県立医科大学腎臓高血圧内科
5福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター
1Dept. of Musculoskeletal Oncology and Metabolic Bone Disease Research, Fukushima Medical University School of Medicine, Fukushima
キーワード:
Fukushima
,
fragility fracture
,
prevention project
,
osteoporosis
Keyword:
Fukushima
,
fragility fracture
,
prevention project
,
osteoporosis
pp.221-225
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_221
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は じ め に
わが国の少子高齢化に伴う医療介護の問題は深刻さを増している.医療費は増加し,生産年齢者不足で介護できなくなる日がそう遠くない状況である1).中でも福島県は,震災と原発事故に伴い人口減少が加速し,現在も続いている.高齢化率(65歳以上人口÷総人口×100)は,震災前が24.8%2)であったのに対し,2020年3月1日現在31.8%と大きく上昇している3).避難生活を余儀なくされ,住民の活動性が低下するなど,骨粗鬆症患者の増加が推察される.また,介護サービスの受給者の70%が女性である.65歳以上の女性の要介護となった原因では,運動器疾患が1/4以上を占め,そのうち骨折・転倒が15.2%である4).骨粗鬆症による脆弱性骨折は,女性要介護率や男女とも死亡率の増加5),および医療費の増加6)につながる.わが国の骨粗鬆症診療率は低いと報告されており7),骨粗鬆患者が特に増加していると推察される福島県において,骨粗鬆症診療の実態を把握し,骨粗鬆症診療を向上させ,健康寿命の延伸をめざす必要がある.そこで,われわれは臨床研究Project F(Fukushima Fragility Fracture Prevention Project)を計画した(図1).Project Fは,アンケート調査による前向き観察研究が主体であるが,その他のさまざまな活動を通じて骨粗鬆症診療のさらなる普及を図ることを目的としている.
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