生活習慣病と骨粗鬆症

Life-Style Related Disease-Associated Osteoporosis

糖尿病に代表される生活習慣病は，加齢とともに有病率が増加するため，骨粗鬆症をはじめとした筋骨格系の疾患への影響も考える必要がある．糖尿病による糖化ストレスが骨折リスクを上昇させることが明らかになってきたため，糖尿病がある高齢者では，積極的スクリーニングと早期治療介入が必要と考えられるようになった．現在では糖尿病のある人での骨粗鬆症治療開始基準に関して国内外からいくつかの提案がなされている．糖尿病以外にも，慢性腎臓病ならびに慢性閉塞性肺疾患も骨折リスク上昇に寄与すると考えられており，複数の疾病の併存に対する治療戦略・療養指導には，幅広い視野を持つことが重要である．