骨折リエゾンサービスの介入により手術適応の椎体骨折が判明した3例

Fracture liaison service intervention revealed vertebral fractures indicated for surgery：report of three cases

　当院では2022年4月から大腿骨近位部骨折と入院した骨粗鬆症性椎体骨折の患者を対象に骨折リエゾンサービス（FLS）を介入している．FLSの担当医師，薬剤師，リエゾンナースが週1回リエゾン会議として集まり，骨粗鬆症治療薬の導入や患者の問題点について話し合っている．骨粗鬆症治療薬を決定するにあたり，骨粗鬆症治療歴，骨粗鬆症関連生活習慣病や悪性疾患などの既往歴，骨密度，海綿骨スコア（trabecular bone score：TBS）などを参考にするが，椎体骨折ではMRIのT2強調画像での局所的な高信号やびまん性の低信号，T1強調画像でのびまん性の低信号などの偽関節リスクも考慮している．

　われわれは，FLSを介入することで紹介医もしくは主治医が見逃していた手術適応の椎体骨折を診断できた症例を経験したので報告する．