Japanese
English
鏡視下手術の進歩――小関節から脊椎まで Ⅶ.足部・足関節
足関節骨軟骨損傷に対する鏡視下手術の適応と限界
Indications and limitations in arthroscopic surgery for osteochondral lesions of the ankle
林 宏治
1
K. Hayashi
1
1大手前病院足の外科センター
1Foot and Ankle Center, Otemae Hospital, Osaka
キーワード:
ankle
,
osteochondral lesion
,
arthroscopic surgery
Keyword:
ankle
,
osteochondral lesion
,
arthroscopic surgery
pp.254-257
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei77_254
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は じ め に
足関節骨軟骨損傷に対する鏡視下手術は有用な手技である.近年,器具の改良とともにこの分野での目覚ましい発展がみられる一方,骨形態的に安定した構造を有する足関節自体の特性から,病変部へのアプローチの困難さを主としたさまざまな課題が残されている.さらに,骨・軟骨という特性の異なる二種類の組織病変であることも,治療を困難にさせる一因と考えられる.現在考案されている術式のうち鏡視下で手技が完遂可能である方法としては,骨髄刺激法であるMicrofractureおよびDrilling(順行性および逆行性),内固定術,海綿骨移植術(順行性および逆行性),Biologics移植術があげられる.これらは元の骨・軟骨の温存が可能であるDrillingおよび内固定術と,元の骨・軟骨を除去したうえで自己組織再生を期待するMicrofracture,および欠損した組織を置換する海綿骨移植術とBiologics移植術に大別することができる.一方,自家骨軟骨移植術はエビデンスレベルが高くMicrofractureとともにもっとも繁用される手技であるが1),関節面へのアプローチに骨切りを要するため,現時点では鏡視下手術の適応にはいたっていない.本稿では,足関節骨軟骨損傷に対する鏡視下手術の適応と限界について述べる.
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