Japanese
English
臨床経験
小児の膝関節に迷入した小石片による骨軟骨損傷の1例
Joint Damage of the Knee Caused by Migrated Small Stone Fragments in an Infant
八木 正義
1,2
,
藤田 久夫
1
,
井口 哲弘
1
,
菊本 喜代司
1
,
松原 伸明
1
,
一山 茂樹
1
,
平山 健一
1
Masayoshi Yagi
1,2
1県立加古川病院整形外科
2神戸大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefec-tural Kakogawa Hospital
キーワード:
小児
,
infant
,
膝関節
,
knee joint
,
異物
,
foreign body
,
骨軟骨損傷
,
osteochondral lesion
Keyword:
小児
,
infant
,
膝関節
,
knee joint
,
異物
,
foreign body
,
骨軟骨損傷
,
osteochondral lesion
pp.1403-1406
発行日 1994年12月25日
Published Date 1994/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901530
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抄録:X線像で骨軟骨骨折後の関節内遊離体と鑑別が困難であった迷入異物による小児膝関節炎の1例を経験した.症例は9歳の女児で,主訴は右膝関節の腫脹および疼痛である.地面にバラスが敷かれている所で右膝を打撲し,近医を受診し創傷処置を受けたが3ヵ月以上たっても膝関節痛と腫脹を訴え当科を初診した.関節穿針にて黄色混濁した関節液が得られ,単純X線像にて膝蓋骨骨折と関節内遊離体様陰影を数個認めた.手術所見では,関節内遊離体に思えた陰影の1つは膝関節内に迷入し経骨外顆骨軟骨に迷入陥没した石片であった.またそれに対応する大腿骨外顆に溝状の広範な骨軟骨損傷が生じており,持続する関節炎はこの骨軟骨損傷と石片によるものと思われた.治療としては,損傷が軟骨下骨にまで及んでいたためドリリングを施行した.初期治療,詳細な病歴やX線検索が重要と反省させられた1例である.
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