Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅰ.総 論
3.画像診断
足関節捻挫における超音波検査の有用性
The usefulness of ultrasound tests on ankle sprains
竹林 友美
1
,
岩倉 菜穂子
1
,
岡崎 賢
1
,
伊藤 恵梨
2
,
内野 小百合
2
,
李 小百
2
,
中山 修一
2
T. Takebayashi
1
,
N. Iwakura
1
,
K. Okazaki
1
,
E. Ito
2
,
S. Uchino
2
,
S. Li
2
,
S. Nakayama
2
1東京女子医科大学整形外科
2日本バスケットボール協会医科学医員会
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Women’s Medical University, Tokyo
キーワード:
ankle sprains
,
ultrasound
Keyword:
ankle sprains
,
ultrasound
pp.53-55
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_53
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は じ め に
足関節外傷は日本整形外科学会新患調査で頚椎外傷に次いで頻度が高い疾患である1).一方,米国では年間200万件の発生報告があり2),スポーツや日常生活において受傷する機会が多く,中でも足関節捻挫の頻度が一番高い.足関節捻挫は主に内反捻挫で3)ネット種目での受傷疾患別割合がもっとも高い4).
足関節捻挫は痛みがあっても競技可能で放置される傾向にあるため,反復受傷し徐々に競技のみならず日常生活にも支障が出てくる.
足関節捻挫の診断は,腫脹・圧痛,身体所見での距腿関節の前方または内反動揺性や単純X線像で骨折の有無などから判断されることが多い.靱帯の状態を確認するためにはMRIや超音波検査を行う必要がある.MRIは空間分解能や質的診断に優れるが,検査に時間がかかり費用も高い.一方近年,整形外科用の超音波機器は画像精度が向上し軽量化されたこともあり,外来やスポーツ現場で簡便かつ非侵襲的に使用できるようになった5,6).
本稿では,足関節の超音波検査法を述べるとともに,日本バスケットボール協会による大会現場での足関節捻挫の超音波検診を紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018