Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
1.新しい画像・機能診断
整形外科診療における超音波検査
-――画像診断の第一選択は「X線」から「超音波」へ
The role of ultrasound examination in orthopaedic practice
荒川 曜子
1
,
笹原 潤
1
,
宮本 亘
1
,
根井 雅
1
,
河野 博隆
1
Y. Arakawa
1
,
J. Sasahara
1
,
W. Miyamoto
1
,
M. Nei
1
,
H. Kawano
1
1帝京大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Teikyo University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
ultrasound
,
ultrasonography
,
orthopaedic practice
Keyword:
ultrasound
,
ultrasonography
,
orthopaedic practice
pp.32-36
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_32
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は じ め に
整形外科診療における補助診断として,画像検査はきわめて有用である.骨,関節,軟部組織の画像検査としては,単純X線検査,CT,MRIが広く普及しているが,整形外科疾患に対し動的に評価することが可能な超音波検査が近年注目されてきている.
超音波検査は,和賀井敏夫順天堂大学名誉教授らによって日本で開発され発展した技術である.内科や産婦人科領域などでは必須の画像検査となった一方で,表在組織を鮮明に描出することが困難であったため,整形外科領域では広く普及しなかった.しかし,近年における超音波画像構築技術の進歩(デジタル化や高周波リニアプローブなど)によって,表在組織を高解像度で描出することが可能となったことから,整形外科領域において急速に普及してきている.超音波検査は,その即時性と侵襲のなさから,整形外科診療における画像検査の第一選択として単純X線検査を凌駕して発展する可能性を秘めている.
本稿では,超音波を画像検査の第一選択とした整形外科診療について,実際の症例を呈示して解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019