特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
下肢の変性疾患に対する高齢者治療 股関節変性疾患 高齢者変形性股関節症に対する立位脊椎・骨盤矢状面アライメントの影響
小山 博史
1
,
星野 裕信
,
古橋 弘基
,
錦野 匠一
,
松山 幸弘
1十全記念病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
術後期
,
脊柱
,
変形性股関節症
,
股関節置換術
,
立位
,
術前期
,
アラインメント
,
骨盤傾斜
Keyword:
Radiography
,
Posture
,
Postoperative Period
,
Spine
,
Osteoarthritis, Hip
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Preoperative Period
pp.32-34
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088638
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2010年1月~2016年4月に人工股関節全置換術(THA)前と術後6ヵ月に立位全脊椎・全下肢単純X線側面像を撮影した75歳以上の変形性股関節症21例21股(男4例、女17例、平均年齢79歳)を対象に立位脊椎・骨盤矢状面アライメントを調査した。術前の骨盤傾斜が骨盤前傾~中間位(N群)8股(平均年齢78歳)と骨盤後傾(P群)13股(平均年齢80歳)に分けると、P群は萎縮型骨頭が多い傾向であった。P群のTHA前の胸椎後彎角(TK)と腰椎前彎角(LL)はそれぞれ26°・28°であり、N群の44°・50°と比較して脊椎の彎曲が失われていた。P群はTHA後もTKとLLがそれぞれ28°・27°であり、N群の41°・51°と比較して脊椎の彎曲が失われていた。立位矢状面はHA-C7、sagittal vertical axisともに両群間で有意差は認めなかった。THA前後では脊椎・骨盤の立位矢状面アライメントは変化しなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017