足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足部の変形・障害 癒合症 足根骨癒合症 癒合部位別の診断と治療
大内 一夫
1
,
菊地 臣一
,
川原田 圭
,
矢吹 省司
,
紺野 慎一
1福島県立医科大学 整形外科
キーワード:
骨癒合症
,
足根骨
,
X線CT
,
疼痛
,
治療成績
Keyword:
Pain
,
Tarsal Bones
,
Synostosis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
pp.88-92
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297872
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著者らが経験した足根骨癒合症20足を対象に、癒合部位別の診断と治療成績について検討した。癒合部位は距・踵骨癒合症が8足、踵・舟状骨癒合症が6足、第1舟状・楔状骨癒合症が4足、第1中足・楔状骨癒合症が1足、舟状・立方骨癒合症が1足であった。全例でアーチサポート付き足底挿板装着などの保存的治療を試みた結果、1)症状が軽減した例は全体の5足(25%)であった。癒合部位別では距・踵骨癒合症が2足(25%)、踵・舟状骨癒合症が1足(17%)、第1舟状・楔状骨癒合症が2足(50%)で症状の軽快が得られていた。2)保存的治療で症状が軽減しなかった15足に対し癒合部切除術を施行したところ、術後は全例で疼痛の改善が得られた。3)内がえし制限は術前10足に認められ、術後は6足で改善し、4足に残存した。特に距・踵骨癒合症では、術後に内がえし制限が6足中3足(50%)に残存していた。
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