足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足部の変形・障害 癒合症 距・踵骨癒合症に対する癒合部切除術 癒合部位と臨床成績との関係
嶋 洋明
1
,
安田 稔人
,
守 克則
,
木澤 桃子
,
根尾 昌志
1大阪医科大学 整形外科
キーワード:
距骨
,
骨癒合症
,
しびれ
,
踵骨
,
足関節
,
X線CT
,
疼痛
,
治療成績
,
関節角度測定
Keyword:
Ankle Joint
,
Calcaneus
,
Pain
,
Synostosis
,
Talus
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Arthrometry, Articular
pp.82-87
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297871
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症候性の距・踵骨癒合症に対して癒合部切除術を施行した29例を対象に、距踵骨間の癒合部位と臨床成績との関係について検討した。癒合部位は足根孔から長母趾屈筋腱溝内側の距骨後内側結節まで癒合しているC群が12例、足根孔から長母趾屈筋腱溝を越えて距骨後外側結節まで癒合しているP群が10例、距骨後内側結節から足根孔を越えて中距踵関節まで癒合しているM群が7例であった。その結果、1)C群では調査時に疼痛が全例で消失しており、P群とM群に比して有意な改善が認められた。2)足部の関節可動域はP群とM群では有意な改善が得られなかったのに対し、C群では内がえしと外がえしともに有意な改善がみられた。3)これらの結果から、癒合部位によって臨床成績に差が生じることが明らかとなった。特にC群の臨床成績が良好であった。一方、P群とM群では足部の関節可動域の改善が得られなかったが、このことから術後は距骨下関節の可動域訓練を積極的に行う必要があると考えられた。
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