足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足部の変形・障害 インピンジメント症候群 荷重位X線断層撮影による扁平足後外側インピンジメントの診断
吉田 泰久
1
,
松原 秀憲
,
相川 敬男
,
真橋 尚吾
,
宇賀治 修平
,
土屋 弘行
1金沢大学 大学院整形外科
キーワード:
X線像強調
,
関節リウマチ
,
X線断層撮影
,
X線CT
,
扁平足
,
体重負荷
,
後脛骨筋腱機能障害
,
足関節インピンジメント
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Flatfoot
,
Radiographic Image Enhancement
,
Tomography, X-Ray
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Weight-Bearing
,
Posterior Tibial Tendon Dysfunction
pp.93-97
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297873
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扁平足14足を対象に、荷重位トモシンセシス撮影、荷重位X線撮影および単純CT撮影を用いて後足部外側インピンジメントの評価を行い比較検討した。その結果、1)明らかに「インピンジメントあり」と判断したものは、荷重位トモシンセシス像で最も多く、距骨-腓骨間で3足、踵骨-腓骨間で7足、距骨-踵骨間で11足であった。ほかに荷重位X線像ではそれぞれ2足、6足、7足で、単純CTではそれぞれ3足、2足、4足であった。いずれの撮影法においても距骨-踵骨間のインピンジメントが最も多い傾向にあった。2)「インピンジメント疑い」と判定したものは単純CTで最も多かった。「判定不能」であったものは荷重位X線像で多く、それぞれ8足、6足、4足であった。一方、トモシンセシス像ではほとんどが明瞭に観察可能であり、判定不能例はそれぞれ1足、1足、2足であった。尚、単純CTでは判定不能例はまったく認められなかった。以上、今回の検討から、トモシンセシスは簡便に荷重位の断層撮影が可能であり、荷重位X線断層撮影は扁平足における後足部外側の骨性インピンジメント評価に有用であると考えられた。
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