足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足関節症 変形性足関節症 脛骨骨切り術 重度の外傷後足関節症に対する足関節牽引形成術
嶋 洋明
1
,
安田 稔人
,
守 克則
,
木澤 桃子
,
根尾 昌志
1大阪医科大学 整形外科
キーワード:
外固定器
,
変形性関節症
,
脛骨
,
牽引(整形外科)
,
骨切り術
,
スポーツ障害
,
足関節
,
足首損傷
,
治療成績
,
関節角度測定
,
骨穿孔法
Keyword:
Ankle Joint
,
Athletic Injuries
,
Osteotomy
,
Osteoarthritis
,
Tibia
,
Traction
,
Ankle Injuries
,
External Fixators
,
Treatment Outcome
,
Arthrometry, Articular
pp.123-129
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297877
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
重度の外傷後足関節症に対して足関節牽引形成術(DAA)を行った10例(男性7例、女性3例、平均年齢は42.6歳)の術後成績について検討した。術後平均経過観察期間29.6ヵ月の結果、1)JSSFスコアは術前平均54.5点が術後73.5点へ有意に改善していた。疼痛は消失2例、改善5例、不変2例、悪化1例であった。2)足関節底・背屈の可動域の和は術前平均37°が調査時37°と有意差がなく、調査時の可動域に関しては改善3例、不変4例、悪化3例であった。3)荷重位足関節X線像では、術前にTakakura分類4期であった8例中5例は調査時2期に改善していたが、ほかの3例は不変であった。一方、術前にTakakura分類3b期であった2例は調査時にはともに4期となっていた。4)骨切り術を併施した5例は術後全例で骨癒合が得られ、骨癒合期間は平均28.8週であった。また、術後に足関節固定術を施行した例はなかった。尚、疼痛が悪化した1例では術後13ヵ月目に下位脛骨骨切り術を併用してDAAを再施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016