変形性膝関節症の診断と治療
手術的治療 人工関節置換術 その他 ポスト・ポリオ症候群による麻痺性反張膝に対する人工膝関節全置換術の検討
松本 太輔
1
,
大谷 崇裕
,
砂川 隆英
,
池上 博泰
,
武者 芳朗
,
金子 卓男
1東邦大学 整形外科
キーワード:
ポリオ後症候群
,
X線診断
,
MRI
,
麻痺
,
膝関節置換術
,
反張膝
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Paralysis
,
Postpoliomyelitis Syndrome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
pp.195-197
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2015264382
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64歳女。幼児期にポリオに罹患し、両下肢の弛緩性麻痺を発症した。以降、両下肢筋力低下を呈するも、日常生活は自立し、杖なしで歩行可能であった。右下肢の筋力低下が徐々に進行し、それに伴い右下肢の支持性が減弱し、右膝が過伸展するようになった。ポスト・ポリオ症候群(PPS)と診断され、右膝周囲筋力訓練、歩行訓練、関節内注射を施行したが、歩行時痛と反張膝が増悪し、歩行困難となった。保存的治療を施行し、装具でリハビリテーションを継続したが、右膝痛と歩行困難が改善しないため、人工膝関節全置換術(TKA)を施行した。術後5日より長下肢装具なしで歩行訓練を施行し、術後4週で一本杖で退院となった。術後8ヵ月現在、術後経過は良好で、右下肢筋力の改善はないが疼痛なく、歩行可能で歩容も改善している。
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