発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068030
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
61歳男。主訴は右膝関節痛および歩行障害であった。全身性エリテマトーデス(SLE)の診断で26年間にわたりステロイド(PSL)経口投与を継続しSLEは沈静化していた。また、10年前より多発性骨梗塞を発症し、左大腿骨人工骨頭置換術・右人工股関節全置換術が施行されていた。右膝関節は外側部を中心とする安静時痛・夜間痛・荷重時痛および軽度の外反変形と屈曲制限を認めた。単純X線像では大腿骨および脛骨の顆部から骨幹端部を中心に骨硬化像と骨吸収像が混在する不整像を広範囲に認め、MRIのT2強調像にはdouble-line signを認めた。PSL長期投与後に生じた多発性骨梗塞の診断で、ステム付き表面置換型人工関節をセメント固定する方法で人工膝関節全置換術(TKA)を施行した。術後は0°~135°の可動域を獲得し、3年8ヵ月経過して疼痛の出現やTKAインプラントの弛みは認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008