運動器疾患の画像診断
X線診断 関節機能の評価 T-view撮影を用いた肩甲胸郭関節機能と肩関節タイトネスとの関連性の検討 肩甲骨5mm以上の外方化は肩関節タイトネスに関連がある
関 展寿
1
,
木戸 忠人
,
佐々木 寛
,
奥山 幸一郎
,
千葉 光穂
,
島田 洋一
1秋田労災病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
関節可動域
,
肩甲骨
Keyword:
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Scapula
,
Range of Motion, Articular
pp.14-17
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2013043372
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投球障害には肩甲骨胸郭関節機能(以下A)が関与していると報告され、肩甲上腕関節タイトネス(以下B)も投球障害に関与することが知られているが、AとBの関連性については明らかでない。そこで今回、投球障害患者95例にT-view撮影を行い、AとBの関連性について検討した。Aの指標として自然下垂位での[肩甲骨内縁と棘突起の間の距離](以下SSD)を計測し、Bの指標として最大挙上位での[肩甲棘と上腕骨のなす角](以下HSSA)を計測した。SSD計測の結果、投球側の肩甲骨が非投球側に比べて5mm以上内方化している者が18例(19%)存在し、5mm以上外方化している者が33例(35%)存在した。5mm以上内方化群と5mm以上外方化群および内・外方化5mm未満群の3群に分けてHSSAを比較したところ、5mm以上外方化群は他の2群に比べて有意に高値であった。すなわち5mm以上外方化群は肩甲上腕関節の可動域が有意に低下していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012