肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
その他 肩甲骨の腫瘍 肩関節発生滑膜性骨軟骨腫症の治療経験
吉田 雅博
1
,
中島 浩敦
,
佐藤 央
,
山田 芳久
1愛知県がんセンター愛知病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
関節鼠
,
肩甲骨
,
MRI
,
滑膜軟骨腫症
,
滑膜切除
Keyword:
Synovectomy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Loose Bodies
,
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Scapula
,
Chondromatosis, Synovial
pp.202-205
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097718
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当院と関連病院で2002~2009年に肩関節の滑膜性骨軟骨腫症と診断した6例を対象に、治療方法、症状・画像所見の経時的変化、JOAスコアなどについて検討した。男性3例、女性3例、年齢23~72歳、経過観察期間は6~83ヵ月であった。治療方法は手術(遊離体摘出+滑膜切除または遊離体摘出のみ)が3例、非手術(消炎鎮痛薬の投与や生活指導)が3例であった。症状は、腫瘤の自覚、疼痛、ROM制限などであった。症状の経時的変化を治療方法別みると、疼痛については手術群で軽減が1例、不変が1例、手術前から痛みなしが1例、非手術群では痛みが消失したもの1例、不変2例であった。ROM制限については手術群で改善1例、不変2例、非手術群で改善1例、不変1例、悪化1例であった。画像所見の経時的変化については、X線で関節症の進行を認めたものが非手術群で2例あった。JOAスコアは、手術群で改善2例、不変1例、非手術群で改善1例、不変1例、悪化1例であった。代表例として手術群の1例と非手術群の1例を提示した。
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