運動器疾患の画像診断
X線診断 関節動揺性の評価 膝蓋骨不安定症に対する非麻酔下・麻酔下での定量的膝蓋骨ストレス撮影の比較・検討
新本 卓也
1
,
出家 正隆
,
安達 伸生
,
中前 敦雄
,
中佐 智幸
,
高沢 皓文
,
越智 光夫
1国立病院機構東広島医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節不安定症
,
膝蓋骨
,
膝関節
,
麻酔
,
ストレスX線撮影
Keyword:
Anesthesia
,
Joint Instability
,
Knee Joint
,
Radiography
,
Patella
pp.2-6
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2013043369
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著者等は、膝蓋骨スカイラインビュー撮影時に定量的ストレスを膝蓋骨に加える器械を考案した。そして、反復性膝蓋骨脱臼の手術を施行するさい術前に本器械を用いて非麻酔下での定量的膝蓋骨内外方ストレス撮影を行い、その所見から、膝蓋骨不安定症に対するlateral releaseの適応などを決定している。今回、その妥当性について検証するため、これまでに本法を用いて反復性膝蓋骨脱臼の手術を行った28例を対象に、術前ストレス撮影によって評価した[medial stress shift ratio][lateral stress shift ratio]の平均値と、術中ストレス撮影(麻酔下)で評価した両指標の平均値を比較した。その結果、両指標とも術前値と術中値に有意差は認めなかったことから、術前の非麻酔下ストレス撮影は膝蓋骨の内・外方不安定性を正確に評価でき、治療方針の決定に有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012