難治性骨折に対する治療
難治性骨折にしないために 骨折部周囲への最小侵襲固定術の骨癒合期間の検討
渡邊 孝治
1
,
松原 秀憲
,
野村 一世
,
土屋 弘行
1金沢大学 大学院先進運動器医療創成講座
キーワード:
X線診断
,
脛骨骨折
,
骨折-開放
,
骨折固定法
,
大腿骨骨折
,
分散分析
,
骨折-粉砕
,
骨折治癒
,
最小侵襲手術
Keyword:
Analysis of Variance
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation
,
Fractures, Open
,
Radiography
,
Tibial Fractures
,
Fracture Healing
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Fractures, Comminuted
pp.12-18
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339586
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新鮮骨折に対しTaylor spatial frame(TSF)を使用し、骨癒合まで観察し得た31例(男22例、女9例、平均年齢48.3歳)を対象として、骨癒合期間、アライメント、合併症について検討した。軟部組織損傷をGustilo分類で評価すると、閉鎖骨折10例、開放骨折Gustilo分類I型4例、II型4例、III型13例であり、粉砕の程度をOTA分類で評価すると、A型15例、B型9例、C型7例であった。28例が初回手術のみで骨癒合したのに対し、骨移植3例を含む4例は追加手術を要した。骨癒合期間は、閉鎖群、I型群、II型群間には有意差はなかったが、III型群はそれぞれの群と比べて有意に長く、同様にA群とB群も有意差はなかったが、C群はそれぞれに比較して有意に長かった。創外固定器抜去後にアライメントの変化した症例はなく、最終経過観察時のアライメントは健側差3°以内と良好であった。以上より、TSFは有用な治療方法であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012