骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
大腿骨近位部(頸部)骨折の病態・診断・治療と連携 反対側の骨折防止策 地域連携パスを利用した反対側骨折予防の工夫
水口 龍次
1
,
平山 健一
,
岩本 淳
,
須田 誠
,
田口 栄子
1三木山陽病院 整形外科
キーワード:
大腿骨頸部骨折
,
地域社会ネットワーク
,
クリティカルパス
,
骨密度維持剤
,
骨折-骨粗鬆症性
,
病診連携
Keyword:
Femoral Neck Fractures
,
Critical Pathways
,
Community Networks
,
Bone Density Conservation Agents
,
Osteoporotic Fractures
pp.164-167
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139411
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大腿骨近位部骨折の地域連携クリニカルパス適応97例(男23例、女74例、平均82.3歳)を対象に、反対側骨折予防のための骨粗鬆症治療について検討した。骨粗鬆症治療が入院前に行われていたのは7例、急性期病院退院時は11例、回復期病院退院時は17例で、維持期評価が終わった時点では5例のみであった。手術を施行し維持期評価ができた30例では、29例では受傷前に投薬治療されておらず、維持評価後に新たに23例にビスホスホネート製剤投与を開始した。これら24例中4例は、かかりつけ医での継続加療を希望した。投薬できなかった6例のうち4例は内服を希望せず、他の1例は認知症で薬剤管理困難、1例は嚥下障害で投薬不可と判断した。全例かかりつけ医が存在し、糖尿病や高血圧などの生活習慣病で加療中の症例が多かった。調査時において投薬24例中4例は副作用で、1例が来院中断で中止となっていた。半年以上経過した12例では9例が内服継続中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011