骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
上肢(橈骨・上腕骨)骨折の病態・診断・治療 手術的治療 高齢者上腕骨近位部骨折に対する最小侵襲プレート骨接合術の治療成績 骨粗鬆症患者の低侵襲手術はどこまで可能か
瀧川 直秀
1
,
森内 宏充
,
阿部 宗樹
,
安井 憲司
1西宮協立脳神経外科病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨粗鬆症
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
最小侵襲手術
,
治療成績
,
骨折-骨粗鬆症性
,
手術時間
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Osteoporosis
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Osteoporotic Fractures
,
Operative Time
pp.138-143
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139407
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上腕骨近位部骨折に対し最小侵襲プレート骨接合術を施行した高齢患者26例(男4例、女22例、平均69歳)の成績を報告した。受傷原因は転倒18例、交通事故7例、転落1例で、骨折型はAO分類B1が15例、B2が3例、B3が1例、C1が7例であった。プレートはSynthes社製Proximal Humeral Internal Locking Systemの3穴を用い、手術時間は平均82.8分であった。経過観察期間6~19ヵ月で、全例骨癒合し、骨癒合期間は平均8.3週で、3ヵ月以上の遷延癒合は1例であった。肩関節可動域は屈曲平均139°、外転133°、外旋45°で、日整会肩関節疾患治療成績判定基準は平均84.7点であった。合併症は、感染や危惧される腋窩神経麻痺は認めなかったが、骨頭壊死が1例に生じた。初回例1例を除く25例で腋窩神経を確認でき、殆どが近位側のロッキングホールの最遠位部に一致して腋窩神経が走行していた。これは個人差に加え、プレートの設置位置にも関連していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011